北陸の住宅建設は今後伸びていくのか?令和5年度住宅着工件数の動向(令和5年4月)
令和5年度の北陸三県の住宅着工件数につき、国土交通省建築統計調査報告の数値を毎月取りまとめします。4月の数字が公表されましたのでご報告します。
建築着工統計調査は、建築基準法第15条第1項の規定により届出が義務づけられている建築物を対象とする統計調査で、毎月調査結果を公表しています。調査から得られる全国の建築物の動態は、国や地方公共団体の施策の基礎資料となるばかりでなく、民間でも業界団体、金融機関、各種研究機関等で動態分析などに広く利用されています。
用語解説
「建築主が自分で居住する目的で建築するもの」と定義されています。 いわゆる注文住宅のことです。
「建築主が賃貸する目的で建築するもの」と定義されています。 つまりアパート等を含めた賃貸住宅のことです。
企業が建てる社宅や、官公庁が建てる官舎などのことです。
「建て売り又は分譲の目的で建築するもの」と定義されています。いわゆる建売住宅や分譲マンションのことです。
表の見方
- 「戸数」は各項目の着工件数です。
- 「対前年同月比」は各項目の前年比です(例えば〇%増又は〇%減)。
但し、「合計」欄は前年度同月までの累計と比較した、増減戸数で表記しています。 - 「コロナ前比較」は、平成31年度(令和元年度)同月まで累計と比較した、増減戸数で表記しています。
国土交通省が一旦統計結果を発表後に、当該統計数値を修正することがあるようです。そのため期間経過後、数値に若干の誤差が生じる場合がございますのでご了承ください。
過去の住宅着工件数の実績及び分析
昨年度の分析については過去の記事をご参照ください。
ブログ:令和4年度完全版!建設業必見、北陸三県の住宅着工件数集計(令和5年3月まで)
富山県の住宅着工件数
昨年同月と比較し、約8%減となっています。
昨年同月に、54戸のマンションの着工があったが今年はない、という点がマイナス要因でしたが、今年は賃貸住宅は25%増と大きく増えており、明るい要素も見られます。
石川県の住宅着工件数
昨年度より約5%増となっています。昨年4月が前年対比27%減であったということも、影響あるかと思います。
特に賃貸住宅が昨年同月比約13%増となっていますし、注文住宅も5%増となっています。
福井県の住宅着工件数
昨年同月と比較して約15%減となっています。
注文住宅は昨年同月と比較し大きな差異は見受けられませんが、賃貸住宅が約25%減、建売住宅が約30%減と大きく減少しています。
全国の住宅着工件数
昨年同月と比較し約12%減と大きなマイナスとなっています。昨年度、減少幅が最も大きかった7月でも約5%減ですので、マイナスの幅がかなり大きいことが分かります。
給与住宅は母数は大きくはありませんが約49%減となっていますし、分譲マンションが約43%減、注文住宅が約12%減と大きく減少しています。
今年度も継続的に、富山県・石川県・福井県の動向を中心に、住宅着工について報告していきます。