北陸の住宅建設は今後伸びていくのか? 令和5年度住宅着工件数の動向(令和5年5月)
令和5年度の北陸三県の住宅着工件数につき、国土交通省建築統計調査報告の数値を毎月取りまとめします。5月の数字が公表されましたのでご報告します。
建築着工統計調査は、建築基準法第15条第1項の規定により届出が義務づけられている建築物を対象とする統計調査で、毎月調査結果を公表しています。調査から得られる全国の建築物の動態は、国や地方公共団体の施策の基礎資料となるばかりでなく、民間でも業界団体、金融機関、各種研究機関等で動態分析などに広く利用されています。
用語解説
「建築主が自分で居住する目的で建築するもの」と定義されています。 いわゆる注文住宅のことです。
「建築主が賃貸する目的で建築するもの」と定義されています。 つまりアパート等を含めた賃貸住宅のことです。
企業が建てる社宅や、官公庁が建てる官舎などのことです。
「建て売り又は分譲の目的で建築するもの」と定義されています。いわゆる建売住宅や分譲マンションのことです。
表の見方
- 「戸数」は各項目の着工件数です。
- 「対前年同月比」は各項目の前年比です(例えば〇%増又は〇%減)。
但し、「合計」欄は前年度同月までの累計と比較した、増減戸数で表記しています。 - 「コロナ前比較」は、平成31年度(令和元年度)同月まで累計と比較した、増減戸数で表記しています。
国土交通省が一旦統計結果を発表後に、当該統計数値を修正することがあるようです。そのため期間経過後、数値に若干の誤差が生じる場合がございますのでご了承ください。
過去の住宅着工件数の実績及び分析
これまでの分析については過去の記事をご参照ください。
参考記事:北陸の住宅建設は今後伸びていくのか?令和5年度住宅着工件数の動向(令和5年4月)
参考記事:令和4年度完全版!建設業必見、北陸三県の住宅着工件数集計(令和5年3月まで)
富山県の住宅着工件数
昨年同月と比較し、約16%減と大きく減少しています。
昨年同月と比べ、注文住宅が61戸減少して約21%減となっています。またプラスの要素はほとんどありませんでした。
昨年累月と比較して、トータル約12%の減となっています。分譲マンションが今年度はまだ着工がなく54戸減(0%)、注文住宅が74戸減(約13%減)となっています。
しかし、賃貸住宅は約6%増えています。
石川県の住宅着工件数
昨年同月と比べ、トータル約31%減とかなり大きな減少となっています。
昨年111戸の着工があった分譲マンションが今年はなかったこと、賃貸住宅の着工が多かった昨年に比べ54戸約32%減少していることが大きな要因です。
トータルは、累月で約12%の減少となっています。
分譲マンションが今年度まだ着工0戸であることが、一番の要因です。賃貸住宅も累月で約13%の減少となっています。
福井県の住宅着工件数
昨年同月と比較して約33%増と大きく増加しています。
賃貸住宅が昨年より128戸も増えて、2倍以上の戸数となっています。
昨年累月と比較して、約7%の増となっています。
やはり最大の要因は賃貸住宅が102戸増えて約51%の増となっていることです。
全国の住宅着工件数
昨年同月と比較し、約4%の増となりました。注文住宅は大きく減少しているものの、分譲マンションが約28%の増賃貸住宅が約11%の増となっています。
昨年累月と比較して約4%の減となっています。注文住宅は約12%の減、分譲マンションは約16%の減となっています。しかし、賃貸住宅は約4%の増となっています。
まとめ
まだ今年度が始まって2カ月というところですが、今のところ福井県は着工数が増加していますが、富山県及び石川県は減少の傾向ですね。
今年度も継続的に、富山県・石川県・福井県の動向を中心に、住宅着工の推移を見守っていきたいと思います。