令和6年度上半期速報!住宅着工件数から見る北陸の住宅市場の現状

北陸三県の住宅着工件数につき、令和6年度上半期6ヶ月分の国土交通省建築統計調査報告の数値を取りまとめました。

各エリアの住宅着工件数から、北陸を中心とした住宅市場の動向を分析しています。

国土交通省 建築着工統計調査報告 時系列一覧
(【住宅】 都道府県別着工戸数 がわかりやすいです。)

目次

用語解説

持家

「建築主が自分で居住する目的で建築するもの」と定義されています。 いわゆる注文住宅のことです。

貸家

「建築主が賃貸する目的で建築するもの」と定義されています。 つまりアパート等を含めた賃貸住宅のことです。

給与(住宅)

企業が建てる社宅や、官公庁が建てる官舎などのことです。

分譲(住宅)

「建て売り又は分譲の目的で建築するもの」と定義されています。いわゆる建売住宅や分譲マンションのことです。

表の見方

  • 「戸数」は各項目の着工件数です。
  • 「対前年同月比」は各項目の前年比です(例えば〇%増又は〇%減)。
     但し、「合計」欄は前年度同月までの累計と比較した、増減戸数で表記しています。

国土交通省が一旦統計結果を発表後に、当該統計数値を修正することがあるようです。そのため期間経過後、数値に若干の誤差が生じる場合がございますのでご了承ください。

前年の住宅着工件数の実績及び分析

令和5年度の分析については過去の記事をご参照ください。

参考記事:「令和5年度完全版」住宅着工件数発表!北陸の住宅建設は今後伸びていくのか?

富山県の住宅着工件数

注文住宅

令和5年4月から前年同月比マイナスが続いていましたが、9月の着工件数が18カ月ぶりにプラスに転じました。ただ、上半期としては昨対約7%のマイナスです。

賃貸住宅

前年度が年度通算でで微増でしたが、今年度上半期も若干ではありますが件数は増えています。

分譲マンション

5月に分譲マンション122戸の着工がありました。昨年度は1年間で116戸の着工でしたので、昨年を超える数字となります。

石川県の住宅着工件数

注文住宅

前年上期比約5%の増となっています。特に直近4カ月は昨対増が続いています。

賃貸住宅

前年上期比約7%の減となっています。前々年度から減少傾向が顕著です。

分譲マンション

今年度は分譲マンションの着工がまだありません。ちなみに30戸を超える規模のマンションの着工は、これで28カ月ないことになります。

福井県の住宅着工件数

注文住宅

前年上期比約8%の減少となっています。

賃貸住宅 

今年度に入り、毎月昨対減となっており、前年上期比約40%減と大幅な減少となっています。

分譲マンション

42戸の着工がありますが、前年上期比で約19%減となっています。

その他

給与住宅(社宅・官舎)は前年上期比約667%増と大きく増えています。

全国の住宅着工件数

注文住宅

前年上期比約5%の減少で、これで34ヶ月連続の昨対マイナスとなっています。

賃貸住宅

令和3・4年度の増加傾向から一転して、昨年度は減少となっていましたが、今年度は前年上期比約3%増となっています。

分譲マンション

前年上期比約12%増となっています。特に4月5月が大きく増えています。

その他

給与住宅が前年上期比約43%増と大きく増えています。

建売住宅は前年上期比13%減となっており、23カ月連続前年同月比減となっています。

まとめ

全国で見ると、注文住宅が34カ月連続のマイナス、建売住宅が23カ月連続のマイナスとなっており、一般住宅の減少傾向は明白で今後も続くでしょう。少子化の影響が大きいことは言うまでもありません。

一方で、日本の住宅市場が抱えるもう一つの課題として、空き家率の高さが挙げられます。総務省が公表している2023年の住宅・土地統計調査によると、空き家率は13.8%と過去最高を記録しており、世界で見ても非常に高い数値となっています。人口減少や都市部への人口集中が進む中、空き家問題の解決は社会的な喫緊の課題です。

なお、全国で最も空き家率が高いのが和歌山県と徳島県で21.2%、最も低いのが沖縄県の9.3%で、北陸3県の空き家率は、富山県14.7%、石川県15.6%、福井県15.5%と平均よりやや高めのようですね。 

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